融資や税務調査で指摘される「公私混同の支出」とは?

最近では銀行から融資を受けるときや税務調査等で、公私混同の支出について指摘を受けることが多いといわれています。「裸一貫で立ち上げた自分の会社なのだから、必要な支出を経費にしたい」と考える経営者の方がいるかもしれません。気持ちは理解できなくはないのですが、公私を混同した振る舞いは、社員や取引先、金融機関に悪い影響を与えます。どんな支出が公私混同にあたるのでしょうか?

社長の公私混同は誰も注意できない

一般的に見て、主に次のような行為は公私混同とみなされます。
・社長夫人が自宅の家電製品等の領収書を会社の経費として計上している
・一人暮らしを始める社長の子供に社宅としてマンションを購入・賃貸している
・勤務実態がほとんどない社長の家族に、高額な役員報酬を支払っている
・社長個人の高級車を会社名義で購入している
・会社名義のクレジットカードを社長とその家族が使っている
・同族関係者が経営する会社との取引で、価格や条件で破格の優遇措置を取っている
・会社の営業活動とは無関係なものを社長の趣味で購入し、会社の資産として計上している
・社長のゴルフ費用や遊興費を交際費として処理している
社長の公私混同な振る舞いについて、社内で注意する人はいません。しかし、社員は意外と社長の公私混同に気付いているものです。あまりにも度が過ぎると、社員のモチベーションが低下し、業績悪化の遠因になります。そして「社長がやっているから、自分も大丈夫」と、社内不正に手を染めやすい企業文化が育ってしまう危険性があるのです。
さらに「2ちゃんねる」などのインターネット掲示板に公私混同ぶりが書き込まれ、周囲に悪い風聞が伝わるようになります。すると、取引先や金融機関からの評価は大幅に落ち、対外的な信用が低下するでしょう。
金融機関でも融資先の格付けを行う際、経営者が公私混同をしているか否かがチェックポイントになっています。業績が悪いのに個人的だと思われる支出が目立つと、融資を断られるケースが多いようです。
さらに、支出の公私混同は税務調査でも厳しくチェックされます。家電製品、自動車等の個人的な支出が経費として否認され、社長への給与となるケースが後を絶ちません。そうなると、さまざまな税金が上乗せされます。そうした観点からも、支出の公私混同は絶対にしないことをおすすめします。
 

 
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