「採用してあげる」という態度ではクリニック経営は失敗する
クリニック経営の重要な要素のひとつは、スタッフの採用です。しかし、その際「採用してあげる」というスタンスを取るのはご法度。実際にそんな言葉を発するのは論外ですし、そのような態度を取ってしまうと、必ず相手に伝わります。特に雇用条件を示すときには、上から目線で臨むことがないよう、注意したいものです。
安易な雇用条件の変更は「採用してあげる」姿勢の表れ
院長先生が「採用してあげる」というスタンスでいると、それが言動の節々に表れます。たとえば、雇用条件の変更です。少しでも給与をセーブして経営を軌道に乗せたいがために、いったん提示した雇用条件を変更するというケースは決して珍しくありません。
「雇ってあげているんだから、少しくらい変更しても応じてくれるだろう」
こんな風に感じるかもしれません。しかし、こうしたスタンスこそが「採用してあげる」というおごりなのです。立場が弱い応募者側は、言われた当初は「わかりました」と応じる可能性がありますが、徐々に不信感を募らせ、辞めてしまうでしょう。
雇用条件のトラブルを防ぐには
雇用条件をめぐるトラブルは大なり小なり多々あります。以下のような点に注意しましょう。
・雇用条件を記載した書面を見せて、理解しているかどうかを確認しながらじっくりと説明する
・採用面接は複数で実施し、採用側の説明ミスや応募者側の勘違いを防ぐ
・病院勤務経験者がクリニックに応募した場合、勤務体制や雇用条件の違いを理解してもらうようにする
・勤務変更に関する決まりごとを明文化しておく
・採用間もない時点で雇用条件変更の交渉をしてしまうと、退職につながりかねない
小規模クリニックの場合、1人が雇用条件に関するトラブルで退職しようとすると、他のスタッフも連鎖的に辞めてしまうケースが想定されます。スタッフの一斉退職という最悪の事態を避けるための第一歩は「採用してあげる」というスタンスを即刻やめることです。「スタッフの皆さんがいないと、当クリニックは成り立たない」くらいの姿勢で採用に臨むことをおすすめします。
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