得意先の開店祝いの花輪代は交際費? 広告宣伝費?
取引先の店舗が開店した場合、花輪を贈ることがよくあります。花輪には名前が大きく載るので、ちょっとした宣伝にもなります。
では、花輪代は税務上どのような扱いになるのでしょうか?
花輪を出すことは「贈答行為」
花輪を出すということ自体は贈答行為にあたります。花輪を出したことで、お客様が喜んだことでしょう。よって、花輪代は交際費にあたります。
法人が、その得意先、仕入先等、社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用は、交際費等に該当するものとされています。
開店祝いで掲出される花輪は、店先に立て並べることにより開店の祝賀を盛り上げるとともに、通行人の人目も引くなど、花輪を出した側にとっても販売促進上の効用をもたらすかもしれません。そのため、得意先の開店時には、これを祝う意思を示す手段として花輪を謹呈する商慣習があります。
ただ、法人が得意先に花輪を贈呈することは、相手方の仕事を請け負えたことに対する謝礼と、今後の取引継続を願う意図を込めての行為にあたります。そのため、交際費と解釈することが妥当なところだといえるでしょう。
パチンコ業界の花輪は特有の商慣習
たとえば、パチンコ台メーカーが、その得意先であるパチンコ店の開店祝いのために支出する花輪代についても、上記の理屈からすれば、本来は交際費に該当します。
しかし、パチンコ店にとって、パチンコ台の入れ替えの際に花輪を店頭に掲示することは、顧客に対する宣伝上必須のもので、花輪代は売上割戻しまたは販売促進の目的で事業用資産を交付するための費用であって、交際費等に該当しないという取り扱いがあります。
ただ、一般的な店舗の開店は、パチンコ店の新装開店と違って頻度が低いです。そして、パチンコ台の入れ替えの条件として、パチンコ台メーカーに花輪の掲出を求めるという取引慣習は、パチンコ業界特有のもので、花輪代を支出する意味合いや目的が、通常とは大きく異なります。
よって、特段の事情がない限りは、花輪の贈呈は交際目的が主であると解釈するのが相当と思われます。
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