ベネッセとマクドナルドに学ぶ社内外に対するリスクへの対応
個人情報を漏えいしたベネッセと不適切な原材料を使用したマクドナルドの不祥事は、「取引先の多様化とそのリスク管理」という問題に対し、真摯に取り組む必要性を警鐘するきっかけとなりました。今後、社内外の「リスクへの対応」はますます重要になるでしょう。
増加する大手企業の不祥事
本年7月、教育業界大手の株式会社ベネッセコーポレーションによる個人情報の漏洩や、ファーストフード業界最大手の日本マクドナルド株式会社による不適切な原材料使用という企業不祥事が相次ぎました。両社に共通していることは、問題が社内で発生したのではなく、委託業者の過失により引き起こされたという事実です。
ベネッセではグループ会社が採用した派遣社員が、マクドナルドでは取引先企業の一部の従業員が不祥事を引き起こしています。つまり、会社に致命的なダメージを与える問題は、社内だけではなく社外にも存在しているということです。会社で起きる可能性のある不祥事の範囲は広域化しており、なにが起こるかわからないというのが現状です。経営者は、想定外のことが起こる可能性を常に認識していなければなりません。
被害者意識を持たずに対応する
万が一、顧客や関係者に損害を与える問題が発生した場合、経営者はどのように対応するべきでしょうか。ここで反面教師となるのが、今回のベネッセやマクドナルドの初期対応です。ベネッセやマクドナルドは、いずれも「被害者意識」を持っており、自社は関係なく外部の一部の人間によって引き起こされた問題だと判断していました。この意識は「自分たちは悪くない」という言い訳に聞こえ、問題を大きくしてしまったと言えます。
どこで何が起きたとしても、顧客や関係者に何らかの損害を与えた以上は「会社は絶対的加害者」であることを忘れてはいけません。そして、早急に原因の追究や再発防止の対策を行うとともに、従業員や顧客、株主、関係会社に対して、経営者自らが「加害者としての誠意ある謝罪」を行う必要があります。わかっている情報は速やかに開示し、可能な限りの対応を迷わず行うことが重要です。
経営者ができることはすべてを明るみにし、その中から今後の対策の方向性を見出すことです。社内外やステークホルダーにすべてを公開することが唯一信頼を取り戻す方法であると理解し、幅広く意見を受け入れ、信頼回復に努めることが経営者の責務なのです。
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