クルム伊達さんが工務店側を相手どり提訴 人手不足、研修不十分が背景か?

「夢のマイホームがボロボロ…クルム伊達公子さんが語る“実態”」と題し、テレビのニュース番組で女子プロテニスプレーヤー・クルム伊達公子さんが悩む住宅問題を報じていました。昨今の建設業の人手不足とそれによる不十分な研修と、まったくの無関係とはいえないかもしれません。

突然、ベランダの床が抜け落ちた

クルム伊達さんの実家は滋賀県大津市にあります。12年前に亡き父親が最後の住まいとして建てたもので、現在は70歳を超える母親がひとりで住んでいるそうです。番組中まるでお宅拝見とばかりに家中の様子が映し出され、広々としたリビングや豪華な内装が特徴的でした。しかし、一歩窓の外に出てみると外装には足場が組まれ、ブルーシートがかけられているのです。

取材班が尋ねると、雨水が溜まってバルコニーの床が抜け落ちてしまったというのです。さらに家の至るところで雨水による腐食が進んでいて、かなり不安な状態だとも。

番組中、住宅トラブルの専門家がコメントした原因は、防水施工などが十分ではなかった工務店によるずさんな施工と指摘していました。屋根裏でも図面とは異なり、部材を間引いた手抜き工事も見つかったとも。

「こういう欠陥住宅っていうものは、他人事のように思っていましたが、本当に自分にも降りかかってくる身近な出来事なんだなって」。こう語ったクルム伊達さんは「(父が)強い思いを持って、この家を建てたのに」と悔しさをにじませていました。

こういった住宅トラブルは多く聞かれます。もちろん、すべてが工務店側の責任ではないと思われます。しかし昨今の人手不足問題などで、研修を短期間で終わらせざるを得ない状況もあり、職人を育てる時間がないとも聞きます。こうした構造的な問題が、今回のようなトラブルの遠因になったことは否定できないでしょう。

特に技術を問われる職業であれば、妥当な研修期間や修行期間があってしかるべき。施工者も施主も安心できる家づくりを提供できる、そんな環境を整えることが大切だと思われます

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